≪児童英語交流情報誌 インタージャペック 掲載記事の紹介≫

【1998年 2月 bS8 P.2 掲載】
私の推薦教材  Letters & Sounds 64(通称BBカード

 私がこのカードを知ったのは、6年前です。まず最初に私が気に入ったのは、奇妙な登場人物と一見ナンセンスと思える文章、それでいて「英検」3級によくでるphraseがしっかりとおまけでついているところでした。
 64枚で構成されたカードなのですがbP〜bP6のカードの中だけでも、現在、過去、未来、現在完了の時制が入り、人物にはマザーグースにでてくる名前や、普通名詞を固有名詞として使っており、代名詞に直せば he,she,it,they が割合よく混ざっています。ですからフォーカスする点を変えていけば、たった最初の16枚でも様々な変化をつけたゲームが可能となります。
 カードをどうやって授業の中に取り入れ、活用していけばいいのか何ヶ月間か悩んでおりましたが、ちょうどSELM主催の入門講座が開かれていることを聞き参加しました。BBカードは「教えない」という発想から生まれ、中学生の「学習用」ではなく、基本はあくまでも小学生の「習慣形成」をねらいとしているので、
 第 1 段 階    それらしい抑揚で言える 
 第 2 段 階  文章を全体語形的に読む(読めてから文字と音の相関性を理解する)
 第 3 段 階  音から文字を再生、ただし最小単位は単語であること
 第 4 段 階  語彙を増やしたり、文の構造を理解する

 この順序であれば使い方は自由ということです。韻を踏んでいる短文で、しかも文の構造も整っていて、さらに中学校で学習する文法事項を含んでいる64枚のカードを使って、種々のゲームで遊んでいればよいわけです。
 なーんだということで、とにかく使い始めたところ、どの子供たちもこのカードがすぐ気に入り、韻を踏んでいるため覚えやすく、自然な形でたくさんのセンテンスを無理なく input していけました。
 しかしそれだけではなく、使っていけばいくほど奥が深くなっていくのには、驚きと感激を感じました。つまり、全体をとらえてから細部を理解し、8割方できたら先に進み、反復練習で訓練することにより身に付けるという、このBB方式ともいうべき英語の理解方法は、英語を母国語としない人が英語を学ぶのには最も適した学び方です。しかもそれは母国語を習得していくときの段階をしっかりと追っていることになります。ですから小学生の段階でこのカードを使い、中学生以降に学習する内容を含んだ数々のセンテンスをゲーム遊びで反復練習しておくだけでも、英語学習の土台作りに役立つというわけです。
 ここで簡単にカードと基本ゲームの紹介をしておきます。カードは絵と文章がそれぞれ64枚あり、使うときは次の4つのグループに分けて使います。

グループ  1 グループ  2 グループ  3 グループ  4
bP 〜 bP6 bP7 〜 bR2 bR3 〜 bS8 bS9 〜 bU4
子音 子音と子音のダイグラフ 母音 母音のダイグラフ

●基本ビンゴゲーム●

 グループ1の16枚を縦、横4枚ずつ絵(もしくは文字)を表にして並べます。読み手である先生も自分のカードをよく切って残り4枚になるまで(すなわち12枚)読み上げます。読み上げられたカードは裏返しにしていき、4枚とも裏返してできた列(縦、横、斜め)を‘Bingo’とします。1ゲーム終了するごとに幾つビンゴができたかをたずねます。
 生徒がカードを並べている時間を利用して、動詞の活用を‘お口の体操’で毎回言います。
 またカードを4セット用意すれば、トランプゲームで楽しみながらカードのセンテンスを言ったり、そのセンテンスを変化させたりしながら遊ぶことができます。

 このBBカードは、15年前に難波悦子先生が自分の教室の生徒たちの為にお作りになったカードですが、今では大勢の先生が使うようになっています。SELM(Society For English Learning Materials) の会では、このBBカードの使い方の研究会を毎月第2水曜日、労働スクエア東京で開いており、難波先生自らも全国各地を回って、workshop も活動的に開催しております。



【2000年 7月 bU0 P.12 掲載】
私の一押し教材
“BBカード”“ダイナソーゲーム”を使ったメッソドのご紹介

 ときどき子供に英語を教えていて、その中で必須と思われる歌や踊り、そういうものにどことなく抵抗を感じ、のめりこむことができないと感じていらっしゃる先生は意外と多いものです。今回ご紹介するこのメッソド実はそんな方にもぴったり!!一見、ゲームで遊んでいるだけなのに、英語を話すためには欠かせない文法も、気づかないうちに会話の中に出てきてしまいます。子供たちが大好きなゲームをフル活用した見事なゲームメソッドをご紹介したいと思います。

 まず必要なのは、すべての基礎となっている「Letters & Sounds64」(通称BBカード)です。(1980年難波悦子氏著)といっても多くの方は「なんだろう?」とお思いでしょう。

BBカードとは・・・?
 絵カードとセンテンスカードからなる64フォームのカード。「なんだ、よくあるカード教材のことね。」と思う方もいらっしゃるでしょう。BBカードと普通のカードとの違いは、カード自体が、補助教材ではなく、メイン教材であるという点です。しかもそれがゲームなのですから驚きです。つまり、種々のゲームで遊んでいるだけで現在、過去、未来、現在完了などの時制が自然に身につくのです。さらに代名詞なども割合を考えて入れられているので、フォーカスする点を変えれば、さまざまな種類のゲームを楽しめ、また各センテンスは韻を踏んでいるので、まるでおまじないのようにスムーズに耳に入り記憶にも残りやすいのです。(例:Betty Botter bought some butter.)
潟Aプリコットより「カードで遊んで 英語大好き!」−多機能教材「BBカード」の実践法ー(難波著 ¥1600)が出版されています。

 私の教室では体験レッスンで、BBカードゲームの基本でもある Bingoゲームをしています。先生の読むセンテンスを聞いて、先生の持っている絵カードと同じカードを探したり、また耳で聞いてそのカードを見つけたりします。そうしているうちに何度も英語の“おまじない”“お口の体操”を自然に楽しくしているので、初めての子供でも信じられないくらいカードを当てることができます。体験レッスンが終了するころには、子供たちの頭の中は英語モードに変換されています。
 この体験レッスンの特徴は、どの学年もみんな同じということです。つまり、どんな年齢層の子供にも対応できるという点です。
 さて、そんなカードのみでは不安という方にお奨めなのが、「ダイナソーゲーム」です。これはBBカードを基に作られており、BBカードだけだとどうも使いこなしにくいという方におすすめ。これさえそろえば、もう怖いものなし。

ダイナソーゲームとは・・・??
 BBカードのセンテンスを用いて作られているゲーム。このゲームセットは子供から大人まで、年齢層関係なく、そしてご家族でも楽しんでいただけるものです。ゲーム用ボード3枚(裏表6種類)とゲーム用カード353枚詳しい解説書がセットになっており、アルファベット、数字、色、食べ物、国旗、時間、乗り物、動物、天候など、ありとあらゆる絵がぎっしり描かれています。したがって、今までいろんな教材を使おうとして、なんだか教室がごちゃごちゃになってしまう!!(実際、これに頭を悩ませていらっしゃる先生方も多いことだと思います。)なんてこともなくなります。スムーズに、かつ重要ポイントをしっかりおさえた、そんな遊ばせながら学ぶレッスンがラクにできるようになります。また、文法はすべてゲームのルールなので、いつのまにかスラスラときれいな英語が口から出てくるようになっているのです。カードもボードも使い方次第で幾通りもの方法があるので、飽きたりする心配もありません。

次回のインタージャペックでは「ダイナソーゲーム」や「BBカード」を用いた効果的なレッスン方法を詳しく紹介していきたいと思います。

【2000年 10月 bU1 P.15 掲載 】
私の一押し教材
“BBカード”“ダイナソーゲーム”を使ったメッソドのご紹介 Vol.2

        STEP.1 BBカードを使った私の体験授業 ある1日
    鼻歌交じりに“おまじない”を口ずさんでいる姿にあらあら、親もびっくり! 

 私の教室では、小学1年から小学6年まで、どの学年の体験授業も常に同じ内容で行います。それは生徒に持たせる基本教材に、英語の土台作りとなるあらゆる文と、たくさんの情報量が含まれているBBカードと、ライティングカード(次号で説明)を使用するからです。この教材は年齢に関係なくさまざまに活用でき、どの学年でも充分楽しめます。そしてカードゲームをしながら、絵に対する音を取り入れていくという感覚なので、子供は十分楽しみながらも、繰り返しの中で英語の抑揚と、特に意味の説明をしなくても、完全に言えるようになるころにはその意味さえも解っているのです。おまじないを唱え、ゲームを楽しんでいるうちに、いつのまにか英語をマスターしていく子供たちに、見学している親たちも満足し、納得してもらえるのです。

 「What's your name?」小声でほんの少し日本語を交えながら、かわいいネームタグを胸にはり、英語を全然知らない仲間たちの体験授業のはじまり、はじまり。実はこのネームタグ、体験授業の後、記念のおみやげになっているのです。
〜BBカードでビンゴゲーム〜
 体験授業では、9枚の絵カードを使います。用意しておいた人数分の絵カードをわたし、たて・よこ3枚ずつ、絵を表にして並べながら、「今からおまじないを言って、お口の体操をします。先生がおまじないを言った後、言えるところだけ、口に出してみてね!」 
「は〜い!」
「はい、それでは。buy-bought-bought , come-came-come・・・」 
このように使うカードのセンテンスにある動詞の活用を言います。子供たちは“おまじない”という言葉につられて、何の躊躇もなく、特に意味も考えず、大きな声で唱えてくれます。

この日の体験授業で使ったBBカードの紹介
    1    Betty Botter bought some butter.
    2    Cathy Carter comes to school.
    3    Mr.Celery lives in the city.
    4    Dolly Dimple Danced with a dog.
    8    Happy Henry has gone to Hawaii.
    9    Jack and Jill jumped in the jeep.
 a@12    Mad Monkey made much money.
 a@14    Peter Piper peeled a pink peach.
 a@16    Red Rooster will finish reading.   
 

「Are you ready? OK!」
 全員カードを並べ終わると、さていよいよビンゴゲームスタート!先生が読み上げる“おまじない”に化けた英語を口ずさみながら、先生の見せる絵カードと同じカードを見つけて裏返します。このときクラッピングをしながら、生徒がリピートしやすいように一緒に言います。この段階では生徒たちは、同じ絵カードを見つけることを楽しみながら、もそもそ言ったり、時には真似しようとしながらがんばっています。
 いくつかビンゴがそろうと、できたビンゴの数だけネームタグに、かわいらしいシールを貼ってあげます。
 2回戦は、ちょっぴり高度になります。全部裏返しになっている絵カードを今度は、先生の読み上げる英語とそれまでの記憶だけを頼りに「Get a chance!」の掛け声とともに、1枚オープンします。当たっていればOK。間違っていたら、また元通りに返しておかなければなりません。
 この日初めて出会ったカードにもかかわらず、子供はよく当てていきます。英語はよくわからなくても、裏返しになっているカードを当てることができた時、英語に対する自信までつくようです。帰るころには、頭に残った“おまじない”を口ずさみながら、ほんの少し得意げ(?)にわが教室を後にします。
 次号では、このBBカードをより使いやすくさせるための助っ人ともなってくれる「ダイナソーゲーム〜bQ 代名詞スゴロクゲーム〜」「ライティングカードを使ってゲーム!」をもとに、この“教えずに学ばせる”という私のメソッドをご紹介したいと思います。




【2001年 2月 bU2 P.11 掲載】
私の一押し教材
“BBカード”“ダイナソーゲーム”を使ったメッソドのご紹介 Vol.3

STEP.2 ライティングカードとダイナソーゲームを使った私の体験授業

〜 ライティングカードのゲーム 〜

このカードはアルファベットのAからZの絵と文字カードで構成されていますが、体験授業ではAからKの絵カードだけを使います。前号でご紹介したBBカードはセンテンスだったのに対し、ライティングカードは単語で、しかも子供たちの大好きな動物が全カードに登場しますので、リピートの声は一段と大きくなります。カードを一通り紹介した後は裏返し、ばらばらに置きます。「Let’s find A〔アェ〕 alligator,ax.わに君のいたAのカードを見つけよう!見つけた人には3枚シールをあげるね。」じゃんけんで勝った人から一枚カードをあけます。違うカードの場合、先生がカードを紹介し、皆でリピートした後、そのカードは場からはずします。Aのカードを見つけたら、3枚のシールを渡し、「次は何を探そうか」と、あけるカードがなくなるまで続けます。
前回所紹介したビンゴゲームの時もそうですが先生が言った後は常にリピートするという“しつけ”を体験授業のときから身に付けさせることはその後の授業展開に大きく影響し、スムーズな運びとなります。
さあ次はカルタ取り!ライティングカードAからKの2セットを並べ、ハエたたきを3本用意します。3人にハエたたきを持たせ、先生の読み上げたカードを取ります。カードを取ったらリピート、そしてやっぱりごほうびのシールを渡します。カードが取れた生徒のハエたたきを次の生徒に回していきます。多少スローな子がいても最初に取れた子のカードを見ながら探せるので、カード2セットとハエたたき3本の組み合わせが最適です。なぜハエたたきかって??
どの子も大喜びで、その場が盛り上がるから!

〜 ダイナソーゲーム 〜
(bQ代名詞スゴロクゲームより)

ボードには代名詞(he,she,it,they)の書かれた道と食べ物の絵がカラフルな色合いで描かれています。ボードをだしただけで、子供たちが次はなんだろうとワクワクしている様子がわかります。
最初のビンゴゲームで使ったBB絵カード9枚も用意します。まず3チームに分かれた後、ダイナソーのコマを「This is a red dinosaur,
This is a pink dinosaur,This is a 〜.」と6匹紹介します。自分のチームのコマを決めたら、さあスタートです。じゃんけんで勝ったチームからBBカードを1枚引きます。先生がその絵カードのセンテンスを言いみんなでリピート。絵カードにはそのセンテンスで使われている主語にあたる人物や動物が描かれているので、男の子はhe、女の子はshe、動物はitというルールを教えながらコマの進む場所を示してあげます。
ゲームも後半になると、すでにそのルールを理解し、コマの進めるところを子供から示せるようになってきます。9枚のカードが全部終了すると、勝った順に3枚、2枚、1枚のシールを渡します。
今までBBカード、ライティングカード、そしてダイナソーゲームを使った一連のテクニックをご紹介してきましたが、最後にこれらを使ってどのような効果があるのか、まとめておきたいと思います。

生 徒 へ の 効 果
1. 韻を踏んだセンテンスのため、年齢に関係なく誰でもそれらしい抑揚で英文が言えるようになる。
2. 使える英語(言葉)を習得するために、音声を重視して、イメージから右脳に働きかける必要があるという要素を満たしている。
3. 中学で学習する文法事項が取り入れられ、英検3級によく出てくるフレーズも使っているため、英検の指導が大変ラクにできる。
4. 「おまじない」として入れる動詞の活用により、低学年でも時制の指導が可能になる。
5. 文法用語をゲームのルールとして入れていくので、理解しやすい。
6. ライティングもカードゲームで音を入れた後、基本的なアルファベット大文字、小文字、フォニックス、単語、文を段階的に学べる。